市販のドッグフードにトッピングしてみよう!方法と注意点を解説

市販のドッグフードにトッピングしてみよう!

「市販のドッグフードはなんだか心配…」
「愛犬に愛情のこもった手作りごはんを食べさせてあげたい」
そう思いながらも、「手作り食」というとハードルが高く、なかなか行動に移せない飼い主さんもいると思います。

市販のドッグフードは粗悪なものでも最低限の栄養バランスがとれていますが、完全に手作り食の場合はそれを飼い主さんが自ら考え、調整しなければなりません。
きちんしたと知識もなく、漠然と作ってしまってはかえってわんちゃんの体調を悪くしてしまう可能性があります。
そうならないためには飼い主さんがしっかりと勉強する必要がありますが、実は市販品と手作り食のいいとこどりをする、もっと簡単な方法があります。

それは、「市販のドッグフードに手作りのごはんをトッピングする」方法です。 以後はこれを「トッピングごはん」と呼ぶことにします。

トッピングごはんのメリット

市販品と手作りの強みを併せ持つトッピングごはんには、様々なメリットがあります。

水分を手軽に摂ることができる

トッピングごはんには、「水分」、つまりスープが欠かせません。
最も手軽で基本的なトッピングが、この「スープ」なのです。

わんちゃんに必要な栄養のなかで、意外に忘れがちなのがこの「水分」。
普段与えているお水だけで十分では?と思われるかもしれませんが、水は犬が自発的に飲むのを待つしかないので、こちらで調整するのが難しいのです。
人間のように、「水分不足だから飲みなさい」といったところで聞いてくれるわけではありませんからね。
ドライタイプのドッグフードを常食しているならばなおさら、水分不足は慢性的なものになってしまいます。

水分不足になると血液がドロドロになったり、心臓に負担がかかりやすくなってしまいます。

しかしスープをかけてあげることで、わんちゃんにきちんと水分を摂らせることができ、体調の改善にもつながります。
こういったスープはお肉や魚のゆで汁や、かつお・昆布などの出汁などを活用することができます。
余計な味付けはいりません。
簡単に作ることができるものですが、これを普段のフードにかけてあげるだけで、わんちゃんの食いつきは上がります。
スープもきれいになめとってくれれば、一回の食事でかなりの量の水分を摂取してくれることになるのです。

犬にとって、一日に必要な水分量は計算式で出すことができます。
30ml×体重[kg]+70mlです。
つまり体重3kgの小型犬の場合、30×3+70=160で、一日に160mlの水分が必要ということになります。
しかしこれはあくまで目安です。
体質や体調によって変化しますので、臨機応変に対応してあげましょう。

ちなみに1kgあたり100ml以上飲んでいては、「飲みすぎ」ということになってしまいます。
犬が過剰に水分を求める場合は、腎臓などに異常があるなどの病気の可能性もあります。
あまりにたくさん水を飲んでいるなと感じたら、獣医さんに診てもらいましょう。

栄養が大きく偏るのを防げる

手作りドッグフードを始めるうえで、最も気になる点が「栄養の偏りが発生しないかどうか」ではないかと思います。
実際、「きちんと勉強しなければかえって犬の健康を害してしまう」ことは、手作りドッグフードの最大のリスクと言えるでしょう。

しかし市販のドッグフードに簡単なトッピングをするだけであれば、そこまで栄養が偏ることはありません。
既製品のドッグフード自体に最低限必要な栄養が詰まっていますので、偏りの振れ幅はそう大きくないといえます。
とくにスープのみのトッピングであれば、出汁成分などは誤差の範囲内であるので偏りも少なく済みます。

もちろん、偏ったトッピングを長く続けていれば、じきに何かしらの影響が出てしまいますので、油断は禁物です。

それぞれの体質・体調に合わせて対応ができる

わんちゃんによって、それぞれ抱えている問題や体質は異なります。
市販のドッグフード(特に良質なもの)は万能ではありますが、個々の犬の体調に対応するには不向きなものです。
病気のために特定の栄養をたくさん摂らせてあげたいときなどに、トッピングごはんはたいへん有効です。
体調が改善されればレシピをもとに戻せばよいですし、無駄が出ることもありません。

市販品にない成分を摂ることができる

市販のドッグフードでは摂取が難しいもののひとつに、「酵素」という物質があります。
酵素は動物が生きていくうえで必須となるものですが、加熱処理を行うと破壊されてしまうため、既製品のドッグフードにはほとんど含まれていません。
酵素が不足すると、疲れやすくいなったり、病気になりやすくなったりします。
また、老化が早まり、寿命が短くなってしまうこともあるのです。
酵素不足は長期的にみると、多くのトラブルを引き起こすことがわかります。

酵素は主に生の食品に含まれ、生野菜や生肉、発酵食品をトッピングすることで手軽に摂らせることができます。
犬は野菜の消化があまり得意ではありませんし、生のまま食べさせてはいけないものもありますが、トマトや小松菜、大根の葉などはそのまま食べることができ、酵素の摂取に効果的です。

手軽に食いつきをアップを期待できる

基本的に手作り食は、食いつきがいいのが特徴です。
ドライタイプのドッグフードはたとえ栄養満点でも、嗜好性が低いためなかなか食べてくれないわんちゃんもいます。
しかしトッピングをしてあげるだけで、わんちゃんの食いつきが改善されることがあります。
全てを手作りにしなくても効果を期待できるので、偏食傾向の強いわんちゃんには試してみるとよいかもしれません。

トッピングごはんの作り方の基本

まずはスープから

トッピングごはんは、まずは手軽で栄養過多になりにくいスープから始めるとよいでしょう。
特に調味料は必要なく、ゆで汁や出汁で十分です。
出汁をとった具を細かくして一緒に与えるのもよいです。
単なるスープひとつとっても、数多くの種類があります。

肉のスープ
鶏肉や牛肉などのゆで汁です。 お肉は1cm角にし、アクはきちんと取り除きましょう。
骨付き肉のスープ
手羽先などの骨付き肉も、ゆでるとよい出汁が取れます。 加熱後の骨は裂けて危ないので、ごはんに混ぜないようにしましょう。
魚のスープ
魚のゆで汁です。 基本は白身魚を選び、一口大にカットしてからゆでます。 身体に不足しがちな魚の油を補給することができます。
野菜のスープ
野菜をゆでるだけで、栄養のある野菜スープができます。 複数の野菜を混ぜたり、小さなものでも問題ないので、人の食事用に余った野菜などを有効活用することができます。
しかしほうれん草はゆで汁にシュウ酸が出るのでNGです。 注意しましょう。

※シュウ酸とは:植物などによく含まれる物質です。
カルシウムと結びつくとシュウ酸カルシウムという物質になり、尿路結石の原因になります。

出汁のスープ
私たちの食卓でおなじみのかつお節やこんぶ、しいたけなどの出汁はわんちゃんのごはんにも有効です。
出汁をとった具材は細かく刻んでフードと混ぜてあげると、ミネラルも同時に補給できます。

スープはわんちゃんの身体に不足しがちな水分を補ってくれます。
固形のごはんが浸るくらい、たっぷりとかけてあげましょう。

肉や野菜などをトッピングする

スープに慣れてきたら、次はお肉や野菜をトッピングします。
基本的には以下のような組み合わせを選びましょう。

  1. 肉or魚(のスープ)+生野菜
  2. オイル+温野菜

タンパク質や脂質に野菜を1:1で組み合わせるのが基本となります。
その他にも、卵+トマトや、納豆+青菜、ヨーグルト+フルーツなどのトッピングもあります。

加熱してしまうと壊れてしまう栄養素や旬の食材など、市販のドッグフードでは摂取しにくいものを積極的に取り入れていくとよいでしょう。

トッピングをおこなう際の注意点

トッピングごはんは手軽で体調改善に効果的ですが、注意しなければならないこともあります。
それぞれきちんと把握して、安全なごはんをわんちゃんに食べさせてあげましょう。

トッピングするときは、ドッグフードの量は減らす

まず、トッピングごはんをする際の大前提が、「普段与えているドッグフードは減らす」ということです。

総合栄養食のドッグフードは、「それと水さえ与えていれば生きることができる」ものです。
そしてその一般的な給餌量は、他に何も食べさせなかったときの目安です。
ですので、普段と変わらない量のドッグフードにトッピングを加えて与えていると、カロリー過多になったり特定の栄養を摂りすぎてしまうことになります。
ドッグフードのパッケージに記載されている目標給餌量は、やや多めに書かれている傾向がありますのでなおさらです。

スープのみの場合はそこまで気にする必要はありませんが、しっかりとトッピングをするときはフードは通常の70~80%にとどめておきましょう。

スープはきちんと冷ましてから

トッピングごはんの出発点となるスープですが、温度には注意しなくてはなりません。
基本的にごはんにかけるスープは30~40度(人肌程度)に冷ましてからかけてあげましょう。

熱湯をかけてしまうと、ドッグフードに含まれる栄養素の一部が破壊されてしまうからです。
かといって冷蔵庫から取り出してすぐの冷えたスープもわんちゃんのお腹を壊すことがあるので、少々手間ですができるだけ適温のものを用意してあげましょう。

肥満にならないよう注意する

肥満は様々な病気の原因になり、犬を飼う上で防がねばならないものの筆頭に挙がります。
トッピングごはんはうまく使えば肥満対策にもなりえますが、カロリーの高いものばかりトッピングしていたり、トッピングの量が多すぎたりするとかえって逆効果になる場合があります。
これでは手を加える意味がありませんよね。
本末転倒にならないよう、飼い主さんがきちんと管理してあげましょう。

食べさせてはいけない食材に注意

人が食べても無害なものだったり、身体によいものでも、犬が食べると身体を壊したり中毒症状が出てしまう食べ物もあります。
ぶどうやチョコレート、ネギ類などがよく挙げられます。
場合によっては食べすぎると命を落とす食物もありますので、間違って与えないようにしましょう。
犬に手作り食を与える最低限の知識として、犬に食べさせてはいけないものは把握しておくことが大切です。

犬が食べてはいけないものに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
 →手作りドッグフードに使わないで!犬に与えてはいけない食材

塩分は多すぎても少なすぎてもいけない

一般的に、犬にはあまり塩分を摂らせてはいけないとされています。
「犬に塩気のあるものを与えてはいけない」「手作りときは塩分控えめの食事を」というような言葉を耳にしたことのある飼い主さんもいるのではないでしょうか。
中には、「犬に塩分は全く必要ない」という意見もあるくらいです。

それでは、実際はどうなのでしょうか。
そもそも犬に塩分が必要ないとされているのは、犬があまり汗をかかないためです。
また、塩分は心臓や腎臓に負担をかけるため摂らせるべきではないとされています。

しかし汗をかく人間の場合でも、発汗で排出される塩分は全体の10%以下です。
ある学術報告書(『愛犬の必須栄養成分 科学に基づく愛犬家のためのガイド』:アメリカの国家研究評議会が発行した技術報告書に基づいて書かれたものです)によれば、犬が一日に必要とする塩分量は、体重1kgあたりおよそ食塩18mgとされています。
これは人間のおよそ6割程度ですが、思ったより多いと感じた方もいるのではないでしょうか。
確かに人よりは少ないのですが、犬にとって塩分は完全に不必要というわけではないのです。

「犬には塩分控えめの食事を」という漠然とした知識のみで手作り食を作っていたら、塩分不足で病院にお世話になってしまった、というケースもあるそうです。
もちろん塩分の摂りすぎはわんちゃんに様々なトラブルを生みますし、原料に含まれる塩分で十分、といった場合もありますが、少なすぎてもいけないこともあります。

必要量をきちんと把握して、予期せぬ問題の起こらないように努力しましょう。

具材は細かく切る

具の形の残った料理は人間から見れば見栄えがいいですが、犬にとっては具の大きいごはんは消化に悪く、胃腸に負担をかけてしまうためよくありません。
犬は肉に関しては消化しやすい身体のつくりをしているため、多少大きめのカットでも大丈夫です。
しかし犬は野菜や穀物などの消化は不得手ですので、みじん切りにしたり、ミキサーにかけるなどの工夫をして食べやすくしてあげましょう。

肉ばかり与えないようにする

犬は、人間のおよそ4倍のタンパク質を必要とします。
そして市販のドッグフードを購入する際にまずチェックするべき点として、「肉や魚が主原料に使われているかどうか」があるほど、犬にとって動物性たんぱく質は必要不可欠なものです。

しかしだからといってお肉ばかりトッピングしていると、たんぱく質の過剰摂取につながってしまいます。
たんぱく質を摂りすぎると心臓や肝臓・腎臓などに負担がかかってしまい良くありません。
どんなものも摂りすぎ・食べすぎは禁物です。
バランスよく栄養を摂らせてあげることが、犬が健康でいられる秘訣でもあるのです。

ひとつの食材を長期的に使わない

トッピングごはんはベースが総合栄養食になっているため、すべて手作りのごはんを与えるよりも栄養バランスの偏りは少なくて済みます。
しかし油断は禁物です。
ベースの栄養に偏りがないからこそ、同じトッピングばかり与えているとその影響が顕著に出てしまいます。

あまりに頻繁に変える必要はありませんが、長期的に同じトッピングを与え続けるのは避けましょう

ねりものは添加物が多い

ソーセージやちくわ、かまぼこなどのねりものは、添加物や化学塩(身体への良い作用がのぞめないもの)が多く含まれています。
少量をたまに与える分には問題ありませんが、その際は野菜もたっぷり与えてあげることもようにしましょう。

トッピングごはんは、市販のドッグフードと手作り食の、まさに「いいとこどり」の方法です。
正しい知識のもとで活用すれば、飼い主さんとわんちゃんの強い味方になってくれることでしょう。
完全手作り食になかなか手を出せないでいる飼い主さんも、まずはトッピングを作ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。