犬がドッグフードを食べなくなった時に考えられる原因と見分け方

ドッグフードを食べなくなったら

今まで普通に食べていたドッグフードを、ワンちゃんが突然食べなくなってしまった…。 そんなことになったら、きっと飼い主さんは心配しますよね。 ワンちゃんが突然ドッグフードを食べなくなった場合、まずは落ち着いてその原因を突き止めてみましょう。 単なるわがままなのか、フードが合わないのか、それとも病気なのか。 原因によって深刻さや対処方法が変わってきます。 ですので何か心あたりはないか、愛犬に変わったところはないか、よく確認することが大切です。

わがままや偏食が原因の場合

犬がいつものドッグフードを食べなかった場合、おそらく飼い主さんはまず、「どこか具合が悪いのだろうか」と心配すると思います。 しかしごはんを食べないだけで、それ以外に問題がみられない場合は、単なるわがままや構ってもらうための行動であることが多いです。 犬は成犬の場合、人間の2~3歳児並みの知能を持つともいわれています。 おやつをもらうために、飼い主さんに心配してもらうために、仮病をすることもあるのだそうです。

嗜好性の高いものを欲しがっている

一般的に、犬は味オンチだといわれています。 犬も人も、舌の味蕾(みらい)という細胞で味を感じますが、人間の持つ味蕾の数は約9000個、犬はその1/5以下の約1700個です。 人のように繊細な味付けを楽しむことはありません。 ですので毎日同じドッグフードでも、犬は飽きることなく食べ続けてくれるのです。

しかし、犬が全く味を感じないかといえば、そうではありません。 人よりも数は少ないとはいえ、味蕾があり、きちんと機能しています。 ですので人間用の濃い味付けの食べ物や、嗜好性の高いおやつなどを食べると「ドッグフードよりも美味しいものがある」と気づき、ねだるようになります。 そして「他にもっと美味しいがあるのだから、これはいらないや」とでもいった具合で、ワンちゃんがドッグフードを食べなくなることがあります。

犬がごはんを食べないときに、「食欲がないのかも」と安易におやつを与えたり、お肉やウェットフードなどのトッピングをしていたりしないでしょうか。 こうすると犬は「ドッグフードを食べなければ、美味しいものが出てくる」と勘違いしてしまい、ますますドッグフードを食べなくなってしまいます。

つい焦って、別のドッグフードに切り替えるのもよくありません。 ワンちゃんの偏食が進むだけでなく、主食を突然切り替えたことで消化不良を起こす可能性があります。

おやつを食べすぎた

わがままとはまた話が変わってきますが、「おやつの食べ過ぎ」もドッグフードを食べてくれないときに考えられる、大きな原因の一つであるといえます。 おやつは嗜好性が高く、与えると犬が喜んでくれるので、ついついたくさん与えてしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。 また、おやつはしつけやコミュニケーションをする際などにも有効なツールとなりますので、重宝している場面も多々あると思います。

しかし「おやつ」は本来、犬が生きていく上では全く必要のないものです。 基本的な栄養は総合栄養食のドッグフードでまかなえますし、おやつは栄養バランスよりも嗜好性を重視しているため、食べ過ぎるとカロリーオーバーになってしまいます。 本当ならば不必要な栄養が、人間の都合で付加されている状況ですので、(栄養面からみれば)おやつはに与えないに越したことはありません。

わんちゃんが突然いつものごはんを食べなくなったら、その日一日(または前日)を思い起こしてみてください。 少しおやつを与えすぎてしまったな、と心当たりがあれば、その日のフードは少な目にするなど、上手な付き合い方をしていきましょう。 おやつを食べすぎて主食のごはんを食べられないようでは、本末転倒ですからね。

おやつの与え方について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
おやつばかり食べてドッグフードを食べてくれない!その理由と対処法

わがままの場合の対処方法

それでは、このようなケースの場合は、どのように対処していけばよいのでしょうか。

まずひとつ、簡単な解決方法として「ドッグフード以外の食べ物は一切与えないこと」が挙げられます。 体調不良のために食欲が落ちている場合は病状を悪化させてしまう危険性があるため、健康な場合に限り有効な方法ですが、なかなか効果的な方法であるといえます。

わんちゃんがドッグフードをすぐに食べなかった場合は、出してから15分程度でお皿を下げてしまいます。 そして次のごはんの時まで、なにも食べ物を与えないようにします。 初めのうちはわんちゃんも抵抗するかもしれませんが、これを繰り返すうちに健康な犬であれば、空腹に耐えかねてドッグフードを食べるようになります。

絶食というと、「身体に悪いもの」「かわいそう」といったイメージが強いかもしれません。 しかし絶食は動きっぱなしの消化器官を休ませ、負担を軽減するという意味ではむしろ、身体に良い側面も持ち合わせているのです。 犬は、1~2日程度絶食したところで死んだりはしません。 ですのであまりに好き嫌いをする、ドッグフードに問題はないのに偏食傾向にあるワンちゃんには一度絶食を試してみてもいいのではないでしょうか。

しかしわんちゃんによっては、次のごはんの時間までに空腹のあまり吐いてしまう子もいますので、注意しましょう。

その他にも、ぬるま湯でドッグフードをふやかして嗜好性を高めるといった方法もあります。 わんちゃんが間違った学習をしないように、(ドッグフード自体に問題がなければ)コロコロとドッグフードを替えない努力が必要です。

ドッグフードに問題がある場合

いつもと同じドッグフードを突然食べなくなってしまった場合は、ドッグフードそのものに問題がある可能性があります。 ドッグフードの保存状態は悪くないか、わんちゃんの身体に合っているかをきちんと確認するようにしましょう。

ドッグフードが劣化している

たとえ賞味期限が過ぎていなくても保存状態が悪ければ、設定された賞味期限よりはやくドッグフードが腐ってしまうことがあります。 きちんと封をしなかったためにフードが酸化していたり、高温多湿の場所で保管したために腐ってしまっていたなど、不注意によるフードの劣化はどこでも起こりえます。

犬は食べ物の劣化に敏感ですので、「このごはんは腐っている」と感じ取れば、フードを食べなくなる子も出てきます。 いつもは問題なく食べているドッグフードを食べなくなった、という場合はフードの劣化を疑ってみてください。 臭いがきつくなっていたり、粒の表面が油っぽくなっていた場合は、酸化している可能性があります。

アレルゲンが含まれている

アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)がフードに含まれている場合、ワンちゃんがフードを嫌がることがあります。 どんなに高品質なドッグフードでも、アレルゲンが含まれていてはワンちゃんの身体に悪影響を及ぼしてしまいます。 ワンちゃんがフードを食べないと同時に身体をかゆがる、下痢をするなどの症状が出ている場合は、ドッグフードにアレルギー源となりうる食材や成分が含まれている可能性があります。  病院でアレルゲンを特定し、アレルゲンの含まれないドッグフードに切り替えてあげましょう。

ドッグフードそのものの品質がよくない

ドッグフード(とくに低価格帯のもの)の中には、コスト削減のために粗悪な原材料を使用している商品も存在します。 具体的には、廃棄寸前の肉や穀物の出涸らしなど、とても人間の食べられるものではない食材が、ドッグフードには平然と使用されているのが現状です。 そしてその原材料の質をごまかすために、におい付けや味付け、栄養成分が添加されるものも多いのです。

一般的に犬は味音痴といわれていますし、人間よりは味覚が優れていないことは事実です。 とはいえ犬が人間と比べて、粗悪な原材料に強いかと聞かれれば、そんなことはありません。 ワンちゃんの中には、フードが低品質であることを感じ取って避けることもあります。 安売りしていたから安価なものに切り替えたけれど、食べてくれない…といった場合は、ワンちゃんがフードそのものに警戒している可能性があります()。 最高級フードを選ぶべき、とはいいませんが、愛犬の健康のためにも、最低限の品質が保証されているドッグフードを選ぶようにしましょう。

※逆に品質のよいフードに切り替えたとしても、新しく見る食べ物に警戒して口をつけないことがあります。 食べていくうちに徐々に警戒はとけますので、アレルゲンが含まれる・明らかにワンちゃんの身体に合っていないというケース以外は、数日間給餌して様子を見るのもひとつの手です。

ドッグフードに問題がある場合の対処方法

ドッグフード自体に問題がある場合は、当然ですがドッグフードを別のものに替えます。 劣化していれば同じ銘柄の新しいものに、アレルギー反応が見られたらアレルゲンの含まれていないものに替えましょう。 ドッグフードがあまりに安価で劣悪な品質だった場合は判断が難しいですか、飼い主さんのできる範囲で、安全なフードに切り替えてあげてもいいかもしれません。

病気や体調不良で食欲が落ちている場合

前項までは、わがままでフードを選り好みしている場合や、ドッグフードそのものに問題がある場合についてみていきました。 しかしどちらでもない場合は、ワンちゃんが身体のどこかを悪くしている(衰えている)可能性が出てきます。 フードを食べない原因を突き止めて、適切な対処をとれるようにしましょう。

夏バテで食欲が減退している

前身が毛におおわれている犬にとって、夏はつらい季節です。 個体差にもよりますが、夏場犬はどうしても食欲が落ちてしまう傾向にあります。 暑くなってきたと同時に徐々に食欲が減退してきた場合は、原因として夏バテが考えられます。 少量でもしっかりと栄養を摂れるカロリーが高めのフードに切り替えてあげたり、ウェットフードに切り替えるなどの工夫をしてもよいでしょう。 また、暑い日は特に、ワンちゃんがいつでもきれいなお水を飲めるようにしてあげてください。

老化による食欲減退

年を取ると消化器官をはじめ、身体の機能が低下していきます。 そのため7歳(小型犬は10歳)ごろから食欲が落ちていくわんちゃんは少なくありません。 シニア期に突入したら、給餌量に関しても気を配ってあげてください。 多くのドッグフード(市販品)には、シニア向けの商品も売られていますので、上手に活用できるようにしましょう。 また、老化とともに各病気のリスクも上がっていきますので、動物病院で定期的に検査を受けさせてあげましょう。

何らかの病気によって食欲が落ちている

あまり考えたくはないですが、病気の症状として食欲低下が表れている可能性もあります。 便の状態がよくない、毛づやが落ちている、なんとなく元気がないなどの症状が見られた場合は、何らかの病気にかかっているかもしれません。 早急に獣医さんに診てもらい、適切な処置をうけましょう。 ドッグフードだけでなく、普段は喜んで食べているおやつすら食べなくなったら要注意です。

体調不良で食欲が落ちている場合の対処方法

食欲減退の原因が、時期的なものなのか年齢によるものなのか、または病気によるものなのかを見極めることが大切です。 夏バテであれば給餌量を少し減らしたり、加齢によるものであればフードをふやかして食べやすくする、シニア用フードに切り替えるなどの工夫をすることができます。 病気の場合は獣医さんの指示を仰ぐ必要がありますが、療養食に切り替えるなどして、特定の病院を治すサポートをすることも可能です。

原因の判別方法

「ドッグフードを食べない」というワンちゃんの行動ひとつとっても、単なるわがままであったり、重篤な病気のサインであったりと様々です。 緊急性の振り幅がとても大きいため、食欲不振の原因をしっかりと見極めることが大切です。

おやつを食べるかどうか見てみる

まずは、「おやつなどの嗜好性の高いものを食べるか否か」で見極めてみてください。 ドッグフードは食べないけれど、おやつは喜んで食べるといった場合はフードを選り好みしている(わがままである)可能性が高いです。 総合栄養食のフードもしっかりと食べるようにしつけをしましょう。

おやつばかり食べてドッグフードを食べてくれない!その理由と対処法
犬の偏食を直すドッグフードの与え方(リンク)

しかし、特定のフードのみ食べない場合は、ドッグフードにアレルゲンが含まれている可能性があります。 また、どことなく元気がない、便の状態が悪いといった症状が見られた際は、病気による食欲不振を疑うなど、ワンちゃんの様子を見て臨機応変に対応してあげましょう。

便の状態を確認する

言葉を話せないワンちゃんにとって、便は健康状態を知るための数少ない判断材料です。 フードを食べないだけでなく、便秘や下痢などの異常が見られたら、病気またはアレルギーの可能性があります。 獣医さんの診察を受け、場合によってはフードの切り替えなどもおこなってあげましょう。