オーストラリア産ドッグフードの特徴と安全性

ドッグフードの原産国「オーストラリア」

さまざまな動物たちが雄大な自然の中で暮らしているオーストラリアは、ワンちゃんたちにとっても住みやすい国のひとつです。
犬と一緒にアウトドアを満喫したり、カフェでゆっくりすることを好むオーストラリアの人たちは、「自分の身を削ってでも、愛犬に不自由な思いはさせたくない」と考えるほどに、ワンちゃんを大切にする傾向があります。

そんな愛犬家の多いオーストラリアは、管理の行き届いた安全性の高い食肉を生産する国としても有名です。
ドッグフードは肉類がメイン素材となることが多いため、オーストラリア産の肉類を使用したフードは日本でも高い評価を受けています。

ここでは、オーストラリアを原産とするドッグフードの安全性や、原材料の特徴などをみていきたいと思います。

犬を大切にするオーストラリアの人々

オーストラリアの家庭の3軒に1軒は犬を飼育しています。
国内の犬の飼育頭数はおよそ420万匹で、ペットとして飼われている動物の中ではトップの数字です。
次点は猫ですが、その他の小動物や魚類、爬虫類など、さまざまな種類の動物も飼育されています。

オーストラリアは日本の約20倍の国土を持つ広大な国です。
その反面人口は少なく、およそ2,460万人(2017年時点において)と、日本の6分の1程度です。
そのため、広い家も所有しやすく、特別なお金持ちでなくても広い庭の付きの一軒家が購入できます。
そんな環境もあってか、オーストラリアではゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバー、オーストラリアン・ラブラドゥードル、ドーベルマン、オーストラリアン・シェパードといった、ある程度の飼育スペースが必要となる大型犬が人気です。
小型犬を飼っている人も大勢いますが、休日に一緒にレジャーを楽しめるという理由からも、大型犬を好む人の割合が高いようです。

オーストラリア原産のオーストラリアン・ラブラドゥードルは、ラブラドール・レトリーバーとプードルなど、いくつかの犬種を交配させることによって作出されました。犬アレルギーを持つ人のための介助犬として生み出されたこともあり、抜け毛やニオイも少なく、屋内飼育にも適しています。賢い、温厚、社交的と、飼いやすい性格を併せ持った犬です。大 きさ別に3タイプに分けられており、大きな個体では30kg、小さな個体では7kg程度と、幅広い体重の子が存在します。

動物愛護先進国といわれるオーストラリアの人々の、ペットに対する意識は高く、「もしも今より収入が減ったら、ペットに対してどのような扱いをするか」という調査では、多くの人が、「自分の生活の質を落としてでも、ペットには不自由させない」、「ペットのために、さらに仕事を増やして稼ぐ」と回答しています。

動物好き、とりわけ犬好きな国民性を反映し、街中にも犬連れでお茶を楽しめるカフェが多く営業しています。
休みの日に、喫茶店のテラス席でワンちゃんと一緒にのんびりと過ごすオーストラリア人は多いです。
また、公園の中にはワンちゃんがノーリードで自由に駆け回れるスペースが完備されていることも多く、糞を処理するためのビニール袋が用意されている所もあります。
犬に対する断尾(※1)や断耳(※2)は禁止されており、犬種ごとのありのままの特徴を残したワンちゃんたちをたくさん見かけることができます。

※1 断尾・・・犬の尻尾を根元から、もしくは半分程度残して切断することです。
長い歴史があり、もともとは狩猟犬や牧羊犬などに対して、「狩猟時に、尻尾を振ることで音が鳴り、獲物に気付かれることを防ぐため」や、「獲物の追跡時に、トゲのある植物で傷つけないように」、また、「牛追いの際に牛や馬などに尻尾を踏まれてケガをしないように」といった目的で行われてきました。
はるか昔には、「断尾をしている犬は狂犬病にかかりにくい」という迷信が信じられていた時代もありました。
現在では、犬種ごとのスタンダードな容姿を保つために行われることが一般的であり、実用的な目的は失われています。
日本で人気のプードルやヨークシャー・テリア、ウェルシュ・コーギーなども、断尾の対象となる犬種です。
「犬に苦痛を与える」、「平衡感覚や、尻尾を使ったコミュニケーションに支障をきたすリスクがある」などの理由から反対する個人や国も増え、ヨーロッパ諸国では断尾を禁止している国も多く存在します。

※2 断耳・・・犬の垂れた耳の一部を切除して、三角形や丸形の立ち耳にすることです。
過去には完全に耳ごと切除するケースもありました。
本来は、狩猟犬や牧羊犬、闘犬などが、敵と戦う際に咬まれて傷を負いにくくするためのものでした。
しかしこちらも断尾と同様、現在では犬種ごとのスタンダードな姿を守るために行われることがほとんどです。
「断耳によって耳の可動域が制限されることにより、他の犬との意思疎通が取りにくくなる」との指摘も上がっています。
ドーベルマン・ピンシャーやボクサー、ミニチュア・シュナウザーなどの「先のとがった三角形の立ち耳」は、断耳をして形を変えられたものです。
イギリスやドイツ、スイスなど、多くの国で禁じられており、オーストラリアでも2005年より法律で禁止されています。

本来、ドーベルマン(正式にはドーベルマン・ピンシャー)の耳は、左の写真のような垂れ耳です。まだ子犬だからというのもあるでしょうが、垂れた耳によって、可愛らしく柔和な印象が引き立ちます。
右側の写真は、断耳によって立ち耳となったドーベルマンです。「ドーベルマン」といえば、キリッと利発そうな、こちらの姿を思い描く人が多いのではないでしょうか。

オーストラリア産ドッグフードの特徴

伝染病感染の恐れのない安全な食肉を使用

口蹄疫と伝達性海綿状脳症の発生がない

オーストラリアは、口蹄疫(FMD)や伝達性海綿状脳症(TSE)の発生のない国です。
口蹄疫も伝達性海綿状脳症も、一度発生してしまえば畜産産業に深刻な影響を与えます
海外に多くの肉類を輸出しているオーストラリアにとって、伝染病の発生は正に死活問題であるため、政府と畜産農家が一体となって、食肉の安全管理に取り組んでいるのです。
簡単に、各病気についてみてみましょう。

口蹄疫(FMD)

牛や豚、鹿、羊、ヤギなど、蹄(ひづめ)を持つ動物が発症するウイルス性の病気です。
感染すると、蹄の周囲や口腔内などの水膨れ、発熱、食欲の低下、よだれの増加、といった症状がみられます。
幼い動物の場合には死亡するケースもありますが、大人になってから感染してもほとんどの場合完治します。
人間に感染することはほぼなく、濃厚接触などにより稀にうつることもありますが、手足への水疱や軽い発熱が一時的に起こる程度で、短期間で治癒することが一般的です。
ワンちゃんや猫ちゃんが、体に口蹄疫ウイルスを付けたまま家畜類に接すると、病気を媒介してしまう危険性がありますが、犬猫自身に感染することはありません

このように、口蹄疫自体はそれほど恐ろしい病気ではありませんが、畜産農家の生産性を大きく損なうという側面があります。
口蹄疫を発病した牛は食欲がなくなり、満足な搾乳ができなくなります。また、子育て中の家畜の乳が出ないことは、子どもの発育に影響を与え、時には死亡させてしまうこともあるのです。
感染性も非常に強く、家畜の呼気によって排出された口蹄疫ウイルスは風に乗り、他の家畜へと感染を広げます。
そのため、病気のまん延を防止するため、口蹄疫が発生すると家畜の殺処分が行われます。
日本では、家畜の遺体は近隣の国有地や私有地など適切な場所に埋められ、3年間は掘り返すことが認められていません。

伝達性海綿状脳症(TSE)

伝達性海綿状脳症(TSE)は、異常プリオン(悪玉プリオン)によって中枢神経に異常が起こる病気であり、人間を含むさまざまな動物への感染が確認されています。
牛に発症するものは「BSE」や「牛海綿状脳症(うしかいめんじょうのうしょう)」と呼ばれ、羊では「スクレイピー」、人間にみられるものは「クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)」と、それぞれ異なる病名が付けられています。

これらの病気は、糖タンパク質である「プリオン」が変性した「異常プリオン」の摂取が、主な感染ルートです(一部、家族性や原因が不明なケースも存在します)。
体の中にもともと存在する正常なプリオンタンパク質を、異常プリオンが変質させてしまうのです。
症状は、神経過敏や攻撃性の上昇、うつ症状、体重減少、体の麻痺など多岐に渡り、最終的には死亡することが一般的です(発症から死亡するまでの期間は、動物の種類や個体によって差があります)。

鹿やヤギ、猫、トラ、ダチョウなど、数多くの動物で発症が確認されているTSEですが、2018年4月現在までに、犬の発症事例は確認されていません
「犬の持つプリオンタンパク質は安定しており、異常プリオンによる変質を起こしにくい」ことが理由であると考えられてはいますが、「犬がTSEにかかることは絶対にない」と証明されているわけではありません

BSE(牛海綿状脳症)についての詳細は、こちらの牛肉の解説ページをお読みください。→e1(2)ドッグフードの原材料「牛(ビーフ)」の栄養素とBSEについて

伝染病に対するオーストラリアの取り組み

BSEの主な感染原因と考えられているのが、「異常プリオンを保有した家畜を原料とする肉骨粉(にくこっぷん)」です。
羊のスクレイピーは、母子感染や、出産時に排出される「異常プリオンを含んだ胎盤」を子羊などが食べることによって感染することもありますが、まだ完全に感染ルートが解明されたわけではありません)。

オーストラリアでは1997年より、反芻動物(※3)に対して肉骨粉を与えることが禁止されました。
さらに2001年からは全ての脊椎動物を原料とした飼料の給餌自体が禁じられています
加えて、官民一体となり厳格なチェック基準を設け、育成中の家畜の体調から、運搬、肉への加工、流通などさまざまな場面で厳しい安全管理を行っているのです。

本来、四方を海に囲まれ、他の大陸と隔てられているオーストラリアは、海外のさまざまな病気が入り込みにくい環境です。
オーストラリアの検疫体制や衛生管理が厳重な理由には、コアラやカンガルー、ウォンバット、ディンゴ(下記画像参照)といった、オーストラリア固有種の動物や植物を保護するという目的もあります。
人々の努力と地理的な条件により、オーストラリアに暮らす動物たちはこれらの病気から守られているのです。

※3 反芻動物(はんすうどうぶつ)・・・第一胃から第四胃までの4部屋に分かれた胃を持ち、食べ物を飲み込んだ後に、口の中に戻して再び噛むという習性を持つ偶蹄目の動物です。反芻動物には、牛や羊、鹿、ヤギ、キリンなどがいます。こうした草食動物たちは、4部屋の胃のお陰で、草の中に含まれる食物繊維や微量タンパク質などを、無駄なく栄養として吸収・利用できるのです。反芻動物の胃の中で、食べ物の消化を行う役割を持つのは第四胃です。犬や人間の胃はひとつきりですが、例えるならばこの第四胃に当たります。

口蹄疫もTSEも、現在のところはワンちゃんへの感染性は確認されてはいませんが、リスクがゼロでない以上、少しでも安全なフードを与えたいと考える飼い主さんは多いことでしょう。
その点で、オーストラリア産の原料を使用したドッグフードは信頼性が高いと考えられます。

オーストラリアに生息する野生犬「ディンゴ」です。ワイルド・ドッグやオーストラリアオオカミなどと呼ばれることもあります。体重は15kg程度と大柄ではありませんが、肉食(植物も食べます)で気性が荒く、家畜や野生動物だけでなく、過去には人間が襲われる事件もありました。 しかし、子犬から育てると人に懐くといわれています。イエイヌとの異種交配により、純血のディンゴの数はごく少数です。ディンゴは絶滅危惧種に指定されており、オーストラリアに保護施設が作られています。

肉質は脂身が少なくヘルシー

きれいなサシの入った霜降り肉が人気の日本では、脂肪を増やすため、肉牛に穀物類を与えて育てます。
一方、オーストラリアの牛や羊は放牧され、牧草を食べて育つことが一般的です。
肥沃な大地で育った牧草には、草食動物たちに必要な栄養素がタップリと含まれています。
広大な牧草地を自由に動き回り、草を食べる家畜たちは脂肪が付きにくく、赤身の多いやや硬めの肉質になります。
家畜を狭いスペースに押し込まずに飼育することによって、ストレスや病気のまん延からも守ることができ、結果的に抗生物質の投与なども少なくて済むのです。

オーストラリアの肉牛の一部は、日本人の好みに合わせて穀物肥育(グレインフェッド)も行われていますが、ほとんどは牧草で育ちます。
牧草育ちの牛肉は、ヘルシーで安全性が高いですが、穀物育ちに比べると「臭みが強い」というデメリットもあります。
このニオイの違いは、牛が食べている餌の種類(牧草と穀物)によるものであり、「臭みの強い肉」と「品質の悪い肉」はイコールではありません。
牧草肥育の臭みを嫌って、オーストラリア産牛肉を避ける人も多いのですが、獣臭さや強い肉の匂いを好むワンちゃんたちにとってみれば、この臭みも食欲を増進させる「良い香り」なのかもしれません。
牧草で育てられた牛肉は、「グラスフェッドビーフ」と呼ばれ、ドッグフードのパッケージに表記されていることもあります。

オーストラリアの広大な牧草地に放牧されている牛たちです。運動量が多いため、引き締まった赤身の多い肉質になります。広々とした場所で飼われた牛たちはストレスも少なく、健康的に育てることができるといわれています。

他国にはいない珍しい動物の肉を使うことができる

オーストラリア産のドッグフードには、カンガルーエミューといった、オーストラリア特有の動物の肉やオイルを使用したものもあります。
それぞれの肉の特徴を簡単にご紹介します。

カンガルー肉

日本に暮らす私たちの口に入る機会は滅多にないカンガルー肉ですが、本場オーストラリアではステーキやソーセージなどで広く食べられています。
カンガルーは牛や豚などの家畜のように、人によって飼育されているわけではありません。
ディンゴやオオカミたちに捕食されることの多かったカンガルーは、天敵たちの数の減少に伴い増え続け、現在では農作物を荒らしまわる害獣として駆除されています。
こうして捕獲されたカンガルーが、食肉として利用されているのです。

カンガルー肉は、「体重を落として筋肉はしっかりと付けたい」というワンちゃんにピッタリの食材です。
カンガルー肉は、鶏のササミ肉よりも低脂肪低カロリーであり(カンガルー肉はどこの部位でも、脂肪含有率が2%以下です)、さらに共役リノール酸(きょうやくりのーるさん)を含んでいます。
共役リノール酸とは、ベニバナ油やヒマワリオイルなどに多く含まれる脂肪酸の一種です。脂肪の分解や燃焼を促進させる作用を持つ酵素である「ホルモン感受性リパーゼ」を活性化させる作用を持ちます。
本来植物性食品に多く含有されている共役リノール酸ですが、カンガルーの体内でも合成されます
カンガルーが草を食べることによって摂取したリノール酸が、胃の中で変化を起こし、共役リノール酸となるのです。
共役リノール酸には、筋肉に栄養を運搬する作用も確認されており、また、カンガルー肉にはタンパク質がたっぷりと含まれています
共役リノール酸とタンパク質、これらふたつは、しっかりとした筋肉を付けたいアクティブなワンちゃんに嬉しい栄養素です。

カンガルー肉の詳細については、こちらのページでご紹介しています。→ドッグフードの原材料「カンガルー」の栄養素は?衛生面は大丈夫?

エミュー肉
オーストラリア固有の鳥、エミューです。翼は退化し、飛ぶことはできません。大きな個体では体高2メートル、体重60kg程にもなります。雑食性で、強い生命力と繁殖力、環境への適応力を持ちます。メスが産んだ卵をオスが温めて孵化させるという、変わった生態の持ち主です。

オーストラリアの文化や歴史を象徴する「国章」(国旗とは異なります)に、カンガルーとともに描かれている鳥がエミューです。
「ダチョウの次に大きな体を持つ、飛べない鳥」」として知られるエミューは、オーストラリアの草原や砂漠を中心に生息しています。

エミューの肉は高タンパクで低脂肪なため、カンガルー肉と同様に、体重が気になるワンちゃんにおすすめできるお肉です。
また、ミネラルの一種である鉄分が豊富なため、通常よりも鉄の消費量が激しい成長期の子犬や妊娠・授乳中の母犬など、貧血のリスクの高い子にも適しています。
エミュー肉に含有されているのは、体に吸収されやすいヘム鉄です。
鉄は本来吸収されにくい栄養素ですが、タンパク質と結びついているヘム鉄の吸収性は高く、30%前後であるといわれています(含まれる食品や、同時に摂取する他の栄養素とのバランスなどによっても、吸収性は変化します)。
反対に、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は、全体量の5%程度しか吸収されません。
エミュー肉は「サッパリした牛肉のような味」と形容されることが多いですが、独特の臭みを感じる人もいます。

また、エミューの脂肪から精製されるエミューオイルは、オーストラリア政府から医薬品として認定されるほどの優れた保湿作用が特徴です。
やけどや皮膚の炎症、筋肉の痛みがある時などにエミューオイルを塗ることで、症状の緩和が期待できるといわれています。

エミューオイルには、オレイン酸とα‐リノレン酸(アルファリノレン酸)、リノール酸という3種類の脂肪酸が含まれています。
その中でも4割という高い含有量を誇るのがオレイン酸です。
皮脂を構成する成分ともなるオレイン酸は、ワンちゃんの皮膚や被毛に潤いを与え、コンディションを保つ働きを持ちます。
さらに、α‐リノレン酸とリノール酸にも、潤いを保つことで外的な刺激から皮膚を保護する作用があります。
これらの脂肪酸から構成された脂質のお蔭で、エミューの皮膚は回復力に優れ、ケガをしても致命傷になりにくいのです。
3種類の脂肪酸は、血圧の安定化やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の減少など、皮膚に対する作用の他にも優れた健康効果を発揮します。
これらを含んだエミューオイルは、オーストラリア産ドッグフードの原材料としてエミュー肉とともに利用されています。

エミューの肉とオイル、各種脂肪酸については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ドッグフードの原材料「エミュー」の栄養素は?どんな犬におすすめ?
ドッグフードに含まれる脂肪酸の種類と特徴

カンガルーとエミューの肉は、どちらもオーストラリア以外の国では手に入りにくい食材です。
日本にもカンガルー肉が輸入されていますが、その量はごくわずかです。
そのため、日本で暮らすワンちゃんの口に入る機会が少なく、他の肉類にアレルギーがある子であっても、問題なく食べられる可能性があります(※4)。
カンガルー肉やエミュー肉を使用したドッグフードは、種類はまだまだ少ないですが、日本国内でも販売されています。
ただし、どこのお店でも手に入るほどには普及していないため、大きなペットショップやネット通販などをのぞいてみてください。

※4 アレルギーは、「食べる量」よりも、「食べる機会」の多い食品ほど、発症するリスクが高まります。

まとめ

オーストラリアのペット事情、そしてオーストラリア産ドッグフードの特徴についてご紹介しました。

徹底した衛生管理のもとで生産されたオーストラリアの肉類を使用したドッグフードは、ワンちゃんに安心して与えることができるでしょう。
とはいえ、オーストラリアを原産国とするフードの全てが安全という保証はありません
質の悪い素材や、危険性の高い添加物の使用、異物混入・残留農薬の基準値違反などは、原産国を問わず、全てのドッグフードに共通するリスクです。
人間が生産や管理、検査を行う以上、意図したことでなくても、うっかりミスや確認漏れ、勘違いなどはいつ起こっても不思議ではありません。

また、原産国がオーストラリアでも、原材料は別の国の物を輸入して作っているケースもあります。
ドッグフードを選ぶ際には、原産国だけでなく、原材料の産地まで確認した上で購入することがベストでしょう。

さらに、その原材料が「人間が食べられる品質のものか否か」も重要なポイントです。
しかし、人間の食用としての安全基準を満たしていない素材が使用されていても、その旨が表記されていることはないでしょう。
反対に、人間の食用グレードの素材を使用している場合には、それ自体が大きなアピールポイントとなるため、はっきりと表示されている場合がほとんどです。

ドッグフードの品質や安全性は、原産国だけで判断できるものではありません。
もちろん原産国もある程度の参考にはなりますが、素材の質や種類、栄養バランス、愛犬の食い付きなど、チェックするべき項目はたくさんあります。